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あらすじ夕暮れ、16時半のチャイム。誰もが知っている『夕焼小焼』のメロディーが流れ、駅は­制服姿の学生たちで溢れかえり、商店街も夕食の買い物に来た人たちで賑わう。ありふれ­た光景は、ただただ僕に疎外感を与えるだけのものだった。そんな日々の中で、僕はひと­りの制服姿の少女に恋をした。 ――これは、僕の忘れたい思い出の染み付いた19歳の物語。脚本:たくろー★音響:肱川クウ主演:ロック・ひさき ゆず・かなえ・蝸牛(ムセキツイ)主題歌:「非実在少年は眠らない」もっふーP制作:Lost Days.
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おやすみのとき何気なくいつも使っているおふとんたち。そんなおふとんたちの世界を少し見てましょう。普段、おふとんたちはどんなことを考え、どんなことをしているのか。はたまた、どんな世界になっているのか。そんな摩訶不思議な世界へとあなたを誘います。
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10年ぶりに自分の生まれた町に帰って来た「深水深月」。見覚えのある景色と懐かしい海の香り、そして彼女を出迎えたのは幼馴染の浅倉仁だった。「変わったようで変わっていない」そんな彼女たちだったが、変わってしまった事も確かにあって、……そして、変わりゆく事も。​これは海面に浮かぶ、恋の物語。海の中に沈んだ、乞い物語。創作処「彩奏」制作オーディオドラマ最新作!
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光りのない闇に満ちた世界で私は光りを求めていた。あなたが照らしてくれた愛の形を信じたかった。愛されているとも、愛しているとも分からず、繰り返される暴力の意味その眼差しの真意も知らず。分からなくて、分かりたくて、分かろうとして。私は信じた愛の形があなたに伝わること願っていた。愛に溺れる者、愛に傷つく者、愛に縋る者。この物語は、彼女の本懐を描いた残酷劇
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気がつくと、その小さな部屋には私を含めて4人の男女が閉じ込められていた。 足首には、変な形をした足輪がはめられている。直後、無機質な声が部屋中に響いた。 「さぁ、始めよう。スリルウォーク、スタートだ」 足輪のランプが怪しく点滅を始めた・・・●脚本・演出:ふくろう ●キャスト:渡辺京、伊勢参、黒猫夜天、井蛙ちそら、渡辺淳也、麻上美誘、他
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「…目が覚めたら、僕は白い部屋の中にいた」一切の連絡手段を断たれ、趣向も性別も性格も何もかもが異なる者たちが閉じ込められた白いドーム。絶対的な絶望と困惑に彼らの理性は軋んでいく。崩壊していく閉じられた世界。見上げる空は青くはなく、どこまでも白い。そこで為す術もなく死に直結するだけの「少年」の目の前に現れた「少女」がいた。「そうだよ!私、正義のヒーローウーマン!」全てが枯れた白いドームの中で、「少女」が触れる言葉が鮮やかに色づく。励まされ、叱られ、そして笑う。白に色が落とされた時、「少年」は、何かを見つけられるのだろうか。
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戦争のシステムが実は水面下で改変されていた!?発端は五十年前、突如南極を襲った直径20kmを超える隕石の衝突。ナチュラルハザード《ダウントワイライトデイ》。この自然災害を発端に、ごく一部の人間に突然変異を引き起こした。脳に眠る潜在能力を引き出し、超人的な能力を発揮する人間の誕生、通称《following stage Persons》。略称《F/S/P》。政治、経済、戦争。今まで人間達が競い、争ってきた事柄を、各国が使役する《F/S/P》同士を戦わせ、勝利した側の国が主導権を握る《F/S/P》同士の戦争――《FSPWシステム》の誕生。そんな世界の裏側にある日突然叩き込まれてしまった三無主義のダメ人間《箕寶 涼》。『俺の堕落しつつも平穏な日常を返せ!』原作:閃谷了音楽:龍崎一 http://losstime-life.jimdo.com/【公式HP→http://fsp-following.sakura.ne.jp】
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オーディオドラマ【Reading Bar UTARI】

表現者プラットフォームUTARI

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♪♪♪4/6より隔週 金曜日 放送中♪♪♪ 表現者が活躍する媒体のひとつになることを目指し 活動する団体「表現者プラットフォームUTARI」 そして その企画第一弾❕「Reading Bar UTARI」は【声優✖小説作家】のコラボ企画になります。作家による書き下ろしショートストーリーを声優が語り演じます❕ 公式ブログ▶ https://utari.localinfo.jp 公式ツイッター▶http://twitter.com/tunaguutari
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら - 椎名はテロ実行直前までチェス組と連携し彼らをエスコートする。そこに警察は介入しないこと - 実行直前に公安特課の出番をつくるので、相応の人員を用意すること - 空閑と朝戸にはしっかりと専任者を配置し、勝手な動きをしないよう監視を強化すること - サブリミナル映像効果を少しでも薄めるため、こちらで用意した動画をちゃんねるフリーダムで短時間で集中的に配信すること - テロは爆発物によるものであるはず。可能性を徹底的に排除すること - 朝戸がテロの口火を切る行動をし、その後にヤドルチェンコがウ・ダバを使ってさらにそれを派手なものにする手はずである。したがってウ・ダバらしき連中の行動はつぶさに報告を入れること - その他…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「っくしょん!」 パソコンの前に座ったままで目を瞑り、軽く睡眠をとっていた椎名はくしゃみによって目を覚ました。 自分の体調について尋ねる声はない。椎名を監視しているはずの片倉や岡田といった連中も今は眠っているのかもしれなかった。 しかしこちらから向こうの様子は見えないので迂闊な言動は慎むべきだ。とりあえず椎名はSNSのタイムラインを流し読みすることにした。 ハッシュタグ立憲自由クラブでフィルタリングされたそこには、日章旗と旭日旗が入ったアイコンがよく見られる。その中で椎名は「日本大好き」という名前のアカウントが時々ポストしているのを発見した。 やるしなかない 戦うしかない 完全にもう俺らは米帝の植民地だ 出たとこ勝負…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 金沢市郊外の築古マンション。その一室にウ・ダバの構成員の一部が潜んでいた。 「おい起きろ。」 هيه استيقظ 肩を小突かれたアサドはやっとの思いでその目を開いた。 「もう6時だ。いつまで寝てんだ。メシを食え。」 إنها الساعة السادسة بالفعل. كم من الوقت نمت؟ كل الطعام. 「ああ、すまない。」أه آسف. アサドの目の前の男性は苛立っていた。 この部屋の間取りは2LDK。アサドが目を覚ましたこの部屋には、大型のアタッシュケースのようなものが多数置かれている。 「早くしろ!」أسرع - بسرعة! 慌てて身を起こしたアサドはリビングダイニングの方へ向かった。…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「拉致被害者を全員返還ですと!?」 「はい。このことはこちら側に陶晴宗を引き込んだ、あなたの功績に依るものが大きいですよ。」 応接用のソファに座り正対する仲野の身体がどこか震えているように見えた。 「しかし、冒頭申し上げたとおり今回のテロを制圧することが条件です。」 「…鵡川総理はなんとおっしゃてらっしゃるのですか。」 「総理には私からまだ詳細をお話ししていません。」 「えっ?」 「仲野先生のご意見を拝聴した上で、総理の決断を仰ごうと思いまして。」 「どうして…。私の意見なんぞ、この段階では必要ないでしょう。」 「いいえ。」 こう言うと静かに櫻井官房長官はソファを立ち、床に座り直した。そして両手をついてそのまま深々と…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 今回のテロ計画はオフラーナの暴走であり、政府は一切関与していない。 またそのテロ計画をツヴァイスタン人民軍は、民間軍事会社アルミヤプラボスディアをして、阻止せしめようとしているわけだが、その内容はテロ実行部隊の殲滅を企図している。これはオフラーナの実働部隊であるウ・ダバの無力化のためで、この作戦で人民軍は、オフラーナに対して優位に立つことを画策している。 つまり今回のテロ計画を発端とした武力抗争は、日本を舞台にしたツヴァイスタン人民軍と秘密警察オフラーナとの権力闘争である。 そうツヴァイスタン外務省は認めた。 しかしオフラーナと人民軍、この二つの組織がツヴァイスタンの実質的な支配を行っている現状、政府指導部は彼らに歯…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 深夜、都内の静かな高級ホテルの一室で、緊迫した会議が行われていた。 窓の外は漆黒の闇に包まれ、部屋の中の緊張が余計に際立っている。 ツヴァイスタンの代表者、エレナ・ペトロワとイワン・スミルノフは、不安と戸惑いを隠せずにいた。彼らの目的は、日本でのオフラーナと人民軍の対立を終わらせることだったが、予期せぬ展開に直面していた。 一方、日本政府側の代表、内閣情報調査室の関孝雄と陶晴宗は、冷静な表情を崩さずにいた。 特に陶は、この状況における重要な駒であることが明らかになっていた。 「彼は貴国のオフラーナの協力者です。」 こう関が静かに告げたとき、エレナとイワンの表情には驚きが浮かんだ。 彼らは日本国内で起こり得るオフラーナ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 現在 エレナは窓辺に立ち、東京の輝く夜景を眺めていた。 「姉さん。これが外の世界よ。」 冷めた声で独りごちる彼女は、その美しさに心を奪われることはなかった。 彼女の心は、姉のアナスタシアが連行されたあの日に囚われている。 彼女が最後に交わしたあの切ない微笑みを、エレナは決して忘れられなかった。 彼女はツヴァイスタン外務省の国際戦略調整局に所属し、国際政策の策定や戦略的情報分析、危機管理などの重要な任務に就いている。だがそのすべての知識と能力をもってしても、オフラーナの壁は厚く、姉の安否についての情報は一切手に入らなかった。 彼女がいまどこで、どうしているのか― ―生きてさえいるのかさえも。 ホテルの部屋でひとり、エレ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 6年前 仁川征爾は査問委員会の厳粛の中心に座り、委員たちの厳しい視線を一身に受けていた。 部屋の空気は緊張で張り詰めている。オフラーナの制服を身に纏った委員たちの表情は、仁川の忠誠心を疑うかのように冷ややかだった。 「では始めよう。」 委員長が静かに宣言し査問が始まる。 問いは鋭く、彼の過去をえぐるようだった。仁川の答えは慎重に選ばれ、かつ相手に悪感情を抱かせないように自信をひた隠しにしていた。彼は自分の二重スパイとしての任務を隠し続けながらも、オフラーナという組織への忠誠を誓うような言葉を巧みに操っていた。 この場はツヴァイスタン人民共和国オフラーナによる査問委員会だ。 会議室の壁に掲げられた国旗の下で、仁川は訓練…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 小便器の前に立って用を足す椎名の背後から声が聞こえた。 「Присоединение капитана к войскам завершено.部隊合流完了。」 「Я слышал, что продукт был передан стороне "У Даба".例のブツはウ・ダバ側にわたったらしいな。」 「Извинения.申し訳ございません。」 「Никогда больше не делайте так плохо надписи на дне кофейной чашки и не присылайте мне информацию. Это оставляет следы.コーヒーカップの底面に文字を書…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 立憲自由クラブによる明日の 金沢駅での決起集会の予行演習。これを阻止せよ。そう椎名に指示を出して1時間ほど経過した。 現在は4月30日木曜。時刻は20時になろうとしていた。 「片倉班長。」 岡田が片倉の側にやってきた。彼はベネシュが乗ったと思われるハイエースの動きを捕捉するべく、相馬からの情報を元に所轄署との連携をとっていた。 「相馬の抑えたハイエースですが…。」 岡田の表情が成果を物語っていた。 「駄目やったか。」 「早々に乗り捨てられてました。」 敵も然る者。そう片倉は言った。 「こちらの動き、気づかれたか。」 「それは分かりません。車が乗り捨てられていたのは金沢駅から1キロ程度離れた病院の駐車場です。発進から間…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「Хорошо. Но будьте умеренны. Не поднимайте шума. О, да. Это обнадеживает. Я бы предпочел, чтобы вы считали это демонстрацией силы с нашей стороны.そうか。しかしほどほどにしておけよ。決して騒ぎを起こすなよ。ああそうだ。それは頼もしいな。むしろ我々の力の見せ所と思って欲しい。」 「Да, я вижу. Вот этот.ああ見えた。あれだな。」 「Но... что это за пробка? Будет ли завтра в это время так же ожив…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 四畳半程度の部屋の真ん中にあるデスクでラップトップ型PCを向かい合うのは椎名賢明だ。インカムをつけた彼はビデオ会議ツールで外の捜査本部のスタッフとコミュニケーションをとっていた。 ドアをノックする音 「はい。」 資料ですと言って、男が紙の束を持ってきた。 椎名はそれをご苦労様ですと受け取った。 続けて彼は紙コップに入ったコーヒーを椎名の前に差し出した。 これには椎名は紙コップに目を落とし「ありがとうございます」とだけ言ってそれを受け取った。 男は頭をぺこりと下げ、椎名とはなんの会話もせずにそのままこの場から立ち去った。 「何や。コーヒー頼んでいたのか。」 片倉の声がイヤホンから聞こえた。 「はい。」 椎名がこう応えて…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「久しぶり。トシさん。」 取調室の中に入ってきたのは片倉だった。 それを目で追いながら古田が言った。 「なんや、なんでお前がここに居るんや。」 「いろいろあってな。」 「ちっ。」 古田は舌打ちして片倉から目をそらした。 「何け。」 「お前もあれか。」 「何?あれって。」 「おめぇもワシのこと厄介払いしとるんか。」 片倉はあきれ顔を見せた。 「まー厄介や。」 「あん?」 「厄介やわいや、んな直ぐ一歩歩いたらさっきのこと忘れるんやしな。」 「おいおめぇ人のこと呆け老人呼ばわりしやがって。」 「トシさん。俺だって受け入れるのに苦労しとれんて。」 「ふざけんなや!くそったれが!」 「待て待て!」 古田は立ち上がり部屋から出よ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「あり合わせで用意しました。」 そう言って出されたのはハンバーガーだった。 「自分、奥にいますのでごゆっくり。」 マスターが奥に引っ込んだを見届けてふたりはそれを頬張った。 「うまい。」 京子も三波もその確かな味に唸る。 「このボストークって最近映えるとかで有名な店だろ。」 「はい。」 「この手の雰囲気重視の店って、どっちかっていうと味は微妙ってのが多いけど、ここは違うね。」 「そうでしょ。しっかりおいしいんです。」 「ランチですとかいってワンプレートのもん出されても、え?こんだけで1,000円するのって量の店もあるじゃん。でもほらこのハンバーガー、普通に大きいんだけど。」 「まかないっていうのもあるかもしれませんよ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「失礼します。」 スライドドア音 「あぁ京子か。」 身支度をする三波の姿があった。 「もういいんですか?」 「まぁ、正直良いか悪いかわかんない。主治医がいなくなっちまったからな。」 京子は返す言葉を失った。 「どこまで知ってる?」 三波の質問の真意を測りかねる京子はただ首を振って応えるだけだった。 「で俺から根掘り葉掘り聞き出してやろうってことでここに?」 「そんなところです。」 彼はため息をつく。 「残念だけど、今回ばかりはお前に話せることはない。」 「どうしてですか。」 「俺らのような民間人がしゃしゃり出るのは控えた方が良い。」 「自粛ですか。」 「まぁそんなところだ。」 「三波さんもそんなことを…。」 「俺も?…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「なに?突入した!?」 朝戸班からの報告を受けた岡田は大きな声を出した。 普段大きな声を出さない彼がこのような反応を見せるのは珍しい。テロ対策本部の中のスタッフが一斉に彼を見た。 古田が朝戸が泊まる宿近くのアパート部屋を何件か当たったところ、屈強な男らがそこに合流。突如としてその中の一室に踏み込んだとの報告だった。 「それってまさかトシさんが?」 「いいえ。どうもそうじゃないようです。古田さんはその場に越し抜かすように座り込んでしまってました。」 岡田は片倉を見ると彼はそれにうなずいて応えた。 「トシさんは。」 「なんかぼーっとしてます。」 「保護しろ。」 「え?」 「保護してここまで連れてこい。事情を聞く。」 「わ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「もぬけの殻…だと…。」 「はい。」 赤石は頭を抱えた。 「監視していたんだろう。」 「はい。常時監視していました。」 「どうしてこんなことが起きる。」 「アパートの一階の床下に立坑発見。」 「立坑…。」 「現在、中を捜索中です。」 「十分に注意されたい。」 「了解。」 電話を切った赤石は歯ぎしりした。 「アルミヤプラボスディアの手がかりが消えた…。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「陽動成功。」 「よくやった。」 「引き続き地点デルタにて待機する。」 「ではこちらも合流する。」 「了解。」 短いやりとりをしてベネシュは携帯電話を机の上にそっと置いた。 そして備え付けの電話でフロントに連…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「国土交通省と気象台によりますとこの大雨で石川県の金沢市を流れる浅野川は芝原橋観測所と天神橋観測所で「氾濫危険水位」に達しました。国と気象台は洪水の危険性が非常に高まっているとして「氾濫危険情報」を出して厳重に警戒するよう呼びかけています。自治体の避難情報を確認するとともに浸水のおそれのない場所に移動するなど、安全を確保するようにしてください。」 宿を追い出された古田は避難所である近くの小学校にいた。 避難所にあるラジオから、現在の大雨の状況が古田の耳に入ってきていた。 「代わりの宿は?」 「一応抑えれたんですが、この雨ですから。」 「タクシー呼ぼうか。自分の知っとるタクシー会社なら来てくれると思うよ。」 「あ、えぇ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 卯辰一郎の朝戸調査報告は第一報からちょうど6時間後の16時に行われた。 第一報で明らかになった人物、朝戸の妹殺害のもみ消しを図った疑いのある白銀篤についてである。 「ある日忽然と姿を消した?」 「はい。家族全員失踪。奴が済んでいた家は荒れ放題です。白銀の自宅の周辺住民曰く、近所付き合いがほとんど無い家庭だったようです。なので気がついたら家の草が生えっぱなしになって荒れていたと。」 「何か手がかりのようなものは。」 神谷の問いかけに卯辰一郎は首を振って応える。 「ヤサに踏み込ませたんですが、ただ散らかっているだけでめぼしい情報は何一つありませんでした。」 「くさいな。」 「はい。プロの仕業かと。」 「まさか朝戸が白銀を…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「県内は前線の影響で大気の状態が非常に不安定になり金沢市では大雨となっていて、金沢市昭和町では午後3時半までの1時間に55ミリの非常に激しい雨が降りました。気象台と県は金沢市に土砂災害警戒情報を発表し、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に警戒するよう呼びかけています。 金沢地方気象台によりますと、30日の県内は梅雨前線の影響で大気の状態が非常に不安定になっていて、金沢と野々市市では大雨になっています。 金沢市昭和町では、30日午後3時半までの1時間に55ミリの非常に激しい雨が降りました。 30日午後4時半時までの3時間に降った雨の量は金沢市昭和町で90ミリ、野々市市で50ミリなどと急速に雨量が増えています。 金沢市…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら テロ対策本部に戻ってきた椎名を迎えたのは、百目鬼をはじめとするスタッフたちのただならぬ殺気だった。 「外の様子はどうやった?」 片倉が椎名に声をかける。 「酷いですね。こんな雨いつぶりでしょうか。」 「いつぶり?とは?」 (あっ…。) 「あぁ西日本豪雨ってのが2年前にあったっけ。あいつも酷かったけど、最近こんな感じの雨の降り方多ないけ?ある地点で局所的にドバーってバケツひっくり返したみたいに降って、んでしばらくしたらからーって晴れてさ。」 「…確かに。」 「あれか。気候変動ってやつか。」 「正直それについては自分は懐疑的です。」 「へぇ。こんな感じなんに?」 片倉は窓の外を見る。 「ええ。」 「まぁ気候変動なんて地球…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「最上さんを狙ってノビチョクを盛った…。」 「はい。それが公安特課に最も混乱をもたらせると判断して、朝戸に実行させたそうです。朝戸は光定によって最上が白銀篤であると刷り込まれていたそうです。」 片倉はため息交じりに呟いた。 「つくづくクソやな…。」 「その肝心の朝戸の妹をひき殺した人間なんですが、それは白銀で間違いは無いそうです。」 「いやそんな奴は警視庁にいない。これは確認できた。」 「はい白銀はサツカンでも何でもありません。ただの民間人です。」 「なに?」 「これはさっき椎名が理事官に言ったように、紀伊によるでっち上げだったようです。紀伊が朝戸の妹の事故死を独自で検証。結果、それらしき車両を発見。ここで所轄署に黙…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 自宅に帰った椎名が片倉らのテロ対策本部に出した指示は以下のものだった。 - 椎名はテロ実行直前までチェス組と連携し彼らをエスコートする。そこに警察は介入しないこと - 実行直前に公安特課の出番をつくるので、相応の人員を用意すること - 空閑と朝戸にはしっかりと専任者を配置し、勝手な動きをしないよう監視を強化すること - サブリミナル映像効果を少しでも薄めるため、こちらで用意した動画をちゃんねるフリーダムで短時間で集中的に配信すること - テロは爆発物によるものであるはず。可能性を徹底的に排除すること - 朝戸がテロの口火を切る行動をし、その後にヤドルチェンコがウ・ダバを使ってさらにそれを派手なものにする手はずである。…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 出社した椎名だったが、やはり体調が優れないと言うことで今日は休むこととした。 「どこに向かっている。」 「とりあえず一旦家に帰ります。あてもなく車を走らせるのも、見つかったらリスクですから。」 雨脚が強くなっている。 滝のように降るそれはフロントガラスから見えるはずの景色を白いしぶきのようなもので覆い、視界は極めて悪い。 前方の車のストップランプが断続的に光る。 椎名の運転する車は減速せざるをえなかった。 「一体どれだけ降るんだ…。」 家に向かう間も雨が収まる気配はない。やがて携帯に通知が届く。 大雨警報だ。氾濫警戒情報も併せて知らされた。 「やめてくれ…。」 椎名はぼそりと呟いた。 雨粒が車体をたたきつける音が大き…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「くせぇ…臭すぎる。」 「どうしました。次郎アニキ。」 「ほら見てみろよ。」 顔面に切り傷のようなものが十字に入った男に前に次郎は出力した紙を並べた。 「これが例の白人だ。」 次郎が指す白人はどうやら2日前の4月28日からこのホテルのスイートルームに泊まっているらしい。 雨澤が作り出した画像解析ソフトが、時間をかけずにそのことを次郎に示していた。 このホテルにはスイートルームは2室があり、一方はこの白人。そしてもう一方の部屋は先ほど雨澤が身の危険を感じた部屋であった。 部屋を利用するのは彼ひとりだ。来客はない。正直ひとりでは持て余す広さである。 彼は外出の際に荷物のようなものを持って出ることはない。またその際に誰かと…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 椎名が乗り込んだ車は何事もなかったように、そのまま北署を出発した。 その様子を窓から眺めていた百目鬼が誰に言うわけでもなくつぶやいた。 「気づかれることを心配せず、椎名をおおっぴらに尾行できるだけマシになった。浮いた人員は別の方面に回せる。」 「油断は禁物です。」 片倉が苦言を呈した。 「心配してもどうしようもない。いずれにせよこれで椎名は丸裸だ。気楽にいこう。」 百目鬼が楽観的な見解を示したそのとき、椎名の車内に設置されたカメラからガサゴソと音が聞こえた。その場の百目鬼、片倉、岡田、富樫がモニターに視線を集中させた。 「椎名です。すいません。ちょっと体調を崩してしまって病院にいってました。え?あ、はい…今のところは…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 前進党幹事長、仲野康哉に呼び出された陶は議員会館の彼の部屋の前に居た。 ノック音 ドアが開かれ秘書の男性が彼を迎えた。 「先生はいま会議室でミーティング中です。先生の執務室でお待ちいただけますか?」 執務室に通された陶はソファに腰をかけた。 「もうしばらくしたら終わりますので、しばらくお待ちください。」 ドアが閉まる音 すっくと立ち上がった陶は窓際に立った。 衆議院第一議員会館8階のこの位置からは首相官邸と首相公邸が見える。 窓から視線を逸らし、左を一瞥すると壁側に三脚台に立てかけられた日章旗が目に入った。そしてそれを背にする形で仲野が執務する机がある。机の上には固定電話とデスクトップ型パソコン。紙の書類は少しだけ。…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 雨が窓を打ち付ける。 電話が相手につながるまでの間、その様子を見ていた小寺はため息をついた。 「はい。」 「あ、明石隊長。小寺です。」 「聞いたよ。相手はもう勘づいているというわけだ。」 「はい。」 「取り逃がした連中は。」 「申し訳ございません。」 電話の向こう側から嘆息が聞こえた。 「巻かれました。申し訳ございません。」 再び小寺は謝った。 「やめろ。過ぎたことだ。で、突っ込んできた外国人は?」 「自ら命を絶ちました。警察の調べの前に。」 「なに…。」 「ベネシュとの関係は。」 「未だ判然とせず。」 「収穫無しか…。」 「はい。」 「ベネシュはいつからそのホテルに滞在を?」 「2日前からです。我々を巻いた外国人連…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら ドアが開かれると襟元を緩めた40代後半と思われる男、それに続いて記録係が現れた。 彼は椎名と向かい合って座った。 「話は富樫から聞いた。俺が責任者の百目鬼だ。」 「責任者…。」 「ああ警察庁警備局公安特課課長補佐 百目鬼和成だ。本件の現場責任者だ。現場の指揮は俺に一任されている。」 警察手帳を見せながら百目鬼は椎名に言った。 「結論から言う。われわれ公安特課は椎名賢明。君のオファーを受け入れる。」 椎名は口をつぐんだまま、百目鬼の目を見る。 その場にいた記録官にとって途方もなく長い沈黙がその場に流れたような感覚を覚えた。 「どうした?」 「いえ…。」 「公安特課は君の提案を受け入れたんだ。少しは何か反応を見せたらどう…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「キンタイで椎名をパクっちまおうかとの話もあったが、その協議の最中、当の本人が出頭となったわけよ。」 椎名を取り調べている金沢北署に入った片倉らは、岡田と富樫に特高内での会議の内容を簡潔に報告した。 「出頭のタイミングといい、マルトクのスパイになりますという申し出といい、話が出来すぎとる。こいつは最高レベルの警戒態勢を敷かんといかんってことで、こちらの百目鬼理事官にもお越しいただいた。たった今から我々はこの百目鬼理事官直下の指揮に置かれることとなる。これは県警の本部長並びに警備部長の承認済みである。」 片倉は百目鬼を紹介した。 「百目鬼だ。よろしく頼む。」 岡田と富樫は彼に向かって最敬礼した。 二人とも百目鬼と顔を合…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「え?見た?」 「はい。数時間前です。目鼻立ちがくっきりしてるけど、身体の線が細くってちょっとアンバランスな感じがしたんで覚えています。」 相馬は駅に隣接するホテルの事務所にあった。 「どの部屋に?」 「それはわかりません。」 「カメラ見せてもらって良いですか。」 「あ…はい…。」 「支配人。」 フロントの女性が困惑した様子で部屋に入ってきた。 「なに?」 「例のあの方が支配人を呼んでます。」 「マジかぁ…。」 支配人は相馬を見る。 「そうだ刑事さん。ちょっと力になってもらえません?」 「なんです?」 「さっきヤクザ風の男らがスイートに走って行ったんですよ。」 「え?そうなんですか。」 「これから私対応しますんで、妙…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「朝戸離脱。朝戸は武蔵が辻方面に向かいました。」 「古田さんは。」 「距離を置いて尾行の構え。」 「朝戸班は両名をつけろ。」 「了解。」 「内灘より本部。」 息つく間もなく無線が入る。 「はい本部。」 「先ほど応援依頼した人員が未着です。状況どうですか。」 担当者と岡田が目を合わせる。 「すいません。引き継ぎ漏れです。どこから応援をよこすって言ってました?」 「朝戸班と聞いています。」 担当官は直ぐさま朝戸班に繋ぐ。 「本部から朝戸班。」 「はい朝戸班。」 「内灘からの応援要請の件、状況はどうなっていますか。」 「派遣済みです。」 「え?内灘からは未着とありますが。」 「いいえそんなはずはありません。無線が入ってすぐ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 広すぎる。 部屋も調度品もベッドも何もかも。 自分ひとりでは完全に持て余してしまう。 落ち着かない。 浮世離れしたこの環境が自分の心の安寧を妨げる。 そう思っていた。いやそう思おうとする自分があった。 ドアを開く音 ーあれ…。なんだこの感じ…。 「お客様。どうされました?」 「あ、あぁ…。」147 この部屋に案内されるときに背中に感じた妙な感覚。あれは一体何だったのか。 どうしてあの白人を見た瞬間、悪寒を感じたのか。 つい最近も同じような感覚に襲われた覚えがある。 そうだ。曽我のマンションを張り込んでいたときのことだ。 さっきまで居たはずのパーカーの男が姿を消したかと思ったら、動けなくなった。直感的に自分に危険が迫っ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 金沢駅隣接のファッションビル。 「どうや。」 「あ!古田さん!」 「しーっ。声でかい。」 「あ…すいません…。」 久美子の様子を監視している協力者と合流した古田だった。 「ほらあのちょっと奥まったところあるでしょ。」 エレベータ乗り場に休憩スペースのようなものがある。そこから奥のトイレと喫煙所に続く通路があり、その方面を男は目で指した。 「いまあそこにいます。便所でも行ってんでしょうか。」 「で、どんな感じで久美子を?」 「遠巻きに見るだけです。何気なくこのフロアを歩いて店の前をちらっと見てって感じです。かろうじてここのフロアは最近雑貨店ができたんで、あいつみたいな男がいてもまぁアリなんですが、レディスのショップしか…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「世に出ないように緊急逮捕で身柄を抑えましょう。」 「逮捕後の立証が難しいのだぞ。」 「しかしこのまま指を咥えて待つというわけには…。」 「もちろん。そのつもりはない。」 146 百目鬼が捜査員にこう答えたときのことである。 男が若林の元にやってきて彼に耳打ちした。 「なに…。」 「どうした?」 松永が若林に聞く。 「椎名賢明が金沢北署に出頭したようです。」 「なん…だ…と…。」 特高上層部三名の表情が明らかにおかしい。この場の皆がそう感じとった瞬間だった。 「ゲンタイどころじゃありません。」 「確かに…。」 「いかがしますか。松永課長。」 この百目鬼の問いに松永は額に手を当てて考えた。 松永の考えはこうだった。 椎…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 4月30日木曜 7時半 警視庁公安特課機動捜査班は警視庁内の会議室に集結していた。 総勢30名。全国各地から集められた凄腕の公安警察たちだ。 「定刻なので始める。」 若林がそう言うと松永がマイクを持った。 「おはよう。」 全員が松永に挨拶を返す。 「前置きは無しだ。我が国始まって以来の危機が目前に迫っている。」 こう言うと正面の大型モニターにある眼鏡をかけた男性の画像が映し出された。 どこにでもいる顔立ち。グレーのTシャツに紺色のジャージを羽織っている。 「この男の名は仁川征爾。石川県に椎名賢明という名で潜伏するツヴァイスタン人民共和国のスパイだ。」 捜査員たちがざわついた。 公安特課たるものツヴァイスタンに拉致され…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「このことは京子には話して良いのでしょうか。」 「駄目や。」 「…ですよね。」 「もちろんマルKも無しや。」 「わかっています。」 「…頼む。」 「はい。」 「説得できるか。」 「やるしかないでしょう。」 「そうか。」 「任せてください。」 頼んだと言って電話は切られた。 別室に籠もっていた黒田は部屋を出た。 偶然前を京子が通りかかった。 「あ、デスク。」 「おう。」 「早速面白い話入ってきました。」 「え?何のこと?」 「何言ってんですか、デスク言ったじゃないですか。ネカフェ爆発事件がなんでキー局放送されてないのかって。」 「あ、あぁ…。そんなこと言ってたな…。」 「あれ、国民の不安を助長させるとかで、各局示し合わ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「本部から各局 ケントク捜査員冴木亮の逃走事案につき 6時47分 6時47分 鞍月1丁目1番地中心の10キロ圏警戒態勢を発令する。 実施署は金沢北、金沢南、松任、野々市、津幡中央、川北、寺井、辰口 の各署とし同一に体制はいずれも甲号とする。」 「ケントク岡田から相馬。」 「はい相馬。」 「いまの無線の通りだ。相馬も冴木亮の警戒に当たって欲しい。」 「わかりました。」 「いま何やってる。」 「石大病院の様子を伺っています。」 「人体実験の件か。」 「はい。」 「あまりそれには首を突っ込むなとの指示のはずだが。」 「上層部の調整はいかがでしょうか。」 「厚生省との調整を図っているとだけは聞いている。それ以外情報は無い。」…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 着信バイブ それは一度の震えで止まった。 病室のドアを開く音 靴の音 「容態は。」 「安定しています。今は眠っています。」 「そうか。」 「極度の疲労が原因かと。」 「特高はこれからどうするんだ。百目鬼理事官。」 「若林警視正が片倉の後を引き継ぎます。」 「大丈夫なのか。」 「問題ありません。松永課長の人選です。朝倉事件時、石川で活躍した人物です。私がこうして上杉情報官と直接お会いできるのも若林警視正の調整力の高さです。」 「…そのようだ。」 パイプ椅子を引く音 座る 椅子に座った上杉は片倉の眠るベッドの横に装着されたガードを握った。 「年配だな。」 「片倉ですか。」 「ああ。」 「能力がすべてです。年は関係ありませ…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 最上殺害の実行犯は朝戸であると告げてきたあの男はいったいどういう立場の人間なのか。 そもそも自分が山県久美子の監視をしているのは公安特課のごく限られた人間しか知らない事実。 そうなると中の人間の線は薄い。 「どうやって公安特課からネタを仕入れることができる言うんや…。」 古田は煙を吐く。 「…当初から言われとったしな、モグラの存在…。」 ーモグラを使ってまでマルトクの内情を知りたい存在。それは何か…。 「監視対象やろうな。」 古田は少し離れたところにあるアパート型の民泊を見つめる。 気のせいか先ほどからそこから出て行く人間が多いように感じる。 「時間の使い方は古田さんの勝手ですが、それにこちらを巻き込むようなことはお…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 古田は目を覚ました。 枕元のにある腕時計を手にすると、それは8時を示していた。 「え!?」 前日の疲労の度合いが何であろうと、いつも朝5時には目が覚める。それが今日は3時間も寝過ごしてしまった。 彼は飛び起きて、部屋に唯一ある窓を開け外の様子を見た。 今は4月30日木曜。4月29日水曜は古田にとって激動の一日だった。 古くからの友人、公安特課の富樫に朝っぱらから休んでじっとしてろと言われ傷つき、ぶらぶら外を歩いていたら妙な男と接触。彼から東京のノビチョク事件のホシが朝戸慶太であるとリークされ、その朝戸が潜伏していると思われる東山へ向かう。東山周辺で朝戸を探っているときに偶然、本人を発見。彼を追って行くとある寺に行き着…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 現在時刻は2時半。 陶は携帯電話でパソコンの画面を撮影した。 シャッター音 スマホに指を滑らせる音 マウス音 「シャットダウンと…。」 席を立ち上がった陶は部屋全体を見回す。 誰もいない。 「よし…。」 スイッチ音 ドア閉める音 革靴の音響く ドアが開く音(遠くで) 「ん?」 陶は立ち止まった。 背後でドアが開く音が聞こえた。 いま自分が消灯して出てきた部屋の方だ。 ーまさか…誰かいたのか…。 汗のようなものが陶の首筋に流れた。 そしてそちらの方に振り返る。 「…気のせい…なのか…。」 しばらくその場に立ち尽くした彼はきびすを返して元の方に進み始めた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 夜の…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 枕元の携帯電話が光ったため、椎名はうっすらと目を開きそこに目を落とす。 日付が変わった4月30日の午前1時半だった。 ーなんだこの夜中に…。 彼は自分の動きを悟られないように、布団を被ったままそれを操作する。 空閑からのメッセージだった。 「ルークから聞いた。石川の警察電話が不通になる障害が発生している。」 「ほう。」 「この計画は聞いていないが。」 「ヤドルチェンコの仕込みじゃなくて?」 「ヤドルチェンコ?」 「うん。」 空閑からの返信が止まった。 ー空閑…どうした…。 「派手にかますよう奴に頼んだって言ってたろ。」 相変わらず彼からの返信が無い。 ーおい…なんだこれは…。 「大丈夫か?」 「すまん。ちょっと頭痛が…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら いつものように頭から布団を被った椎名は、その中でスマホの画面に指を滑らせていた。 「ん?」 陶からのメッセージが画面に表示された。 ー紀伊倒れる…。 椎名は即座にそれに返信をする。 「何を使った?」 「ノビチョクを使った。」 「大丈夫か?バレないか?」 「心配ない。いま手の者に処分させているところだ。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 町の雑踏 ハイヒールの足音 「お姉さん。」 自分を呼ぶような声が聞こえたため、彼女はそちらに振り向いた。 突如として物陰から男が現れたと思った瞬間、羽交い締めにされた彼女はそこに引き込まれる。 大声を出そうとするも、もう一人の男が自分の口を手で覆ってきた。 …
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「まぁ座れ。」 言われるがままに紀伊はそこに座った。 「回りくどいことは無しや。直球で行く。」 「…。」 「ビショップは空閑。空閑光秀。金沢の進学塾の経営者兼講師。ほうやな。」 目の前に座る片倉とは彼は目を合わせず無言である。 「黙秘か…。」 あきれた顔で彼の様子を見た片倉はため息をついた。 「紀伊、お前には期待しとってんけどなぁ…。残念だよ。」 「…。」 「ま、どうせ一生しゃべるつもりないんやろ。ほうやろうからこっちからしゃべらせてもらうわ。」 こう言って片倉は両足を目の前の机の上に乗せる。 「クイーンは光定公信。ナイトは朝戸慶太。ビショップは空閑光秀。んでキングは椎名賢明ってわけか。まるでチェスやな。」 「…。」…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 玄関ドアの音 部屋に入ってくる音 「あ!帰ってきた!」 画面を見ていた富樫は大きな声を出したため、岡田もつられてそれを見る。 「ひとまず…よかった…。」 その場に居る二人とも安堵の表情を見せた。 「椎名の車が見当たらんっちゅう現場の報告から、多分タッチの差で難を逃れとるやろうと思っとりましたが、これでひとまず安心ですね。」 岡田は口をつぐむ。 それを見た富樫はしまったという表情を見せた。 「ウチから二名だ。」 「そうでした…軽率な発言申し訳ございません。」 岡田は両手で顔を覆う。 そしてしばらく室内をうろうろと歩き、足を止めた。 「まさか…椎名がネットカフェを爆破させた…とか…。」 「え?」 「椎名のガラ抑えろ。」 …
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 椎名がネットカフェの個室に入ったと報告が入って1時間半。 彼に張り付く現場捜査員から変わった様子などの報告は未だない。 「そういやいつ頃からやったけ…。週に一回はネットカフェ。これが椎名のルーティンになったんは。」 ホットコーヒーに口をつける 息をつく マウスの音 しばし無音 「ワシをすっ飛ばして頭越しに直でやり取りする警察の誰かさんもさることながら、身近で世話してきたワシに悟られんように特高とコンタクトとっとった椎名にもがっくり来ました。」59 「あいつがワシをすっ飛ばして、特高とコンタクトとるとしたらこのネットカフェを利用するタイミングが一番可能性が高い…。」 富樫はとっさにマイクを口に当てる。 「富樫から椎名班…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 陸上自衛隊兼六駐屯地内の一室で三好は男と向かい合って座っていた。 「そうです。我々はいざというときの即応体制を整えるためにいます。水際対策はあくまでもそちらの仕事。我々の存在は保険と考えてください。」 「と言うことは、自衛隊としてはその危機が目前にまで迫っているとの認識なんですか。」 「何度も言うように我々が動かないに越したことはない。そちらの仕事の内で完結するのが国益としては良とされることではないでしょうか。」 「確かに。」 「ただ最悪の場合、我々は動きます。そのために準備をする。それだけです。」 二人の前に金沢の住宅地図が広げられている。 蛍光ペンで印が付けられていた。 「この6拠点にロシア系の人間が集中的に住み…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「申し訳ございません…。」 岡田を前に富樫は目を合わせることができないでいた。 「んなこともある。」 岡田は彼の肩を叩いた。 「相馬さん管理の下、光定を泳がし関係者の尻尾を出させる策、完全に裏目に出ました。」 「…。」 「本当に申し訳ございません。」 「もういいってマサさん。」 県警本部内にある公安特課の指揮所。 今のここには富樫と岡田の二人しか居なかった。 「当の相馬は。」 「気になることがあるとかで、石大病院から離脱しました。」 「そうか。」 「しかし…なんで…。」 「んなもん決まっとるでしょう。やっぱり居るんですよモグラ。」 「マルトクにモグラ。」 「公安特課厳重監視の下、光定の部屋に忍びこんで消音化された銃で…
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このブラウザでは再生できません。 再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら 「事故じゃなくて殺された。」 「事件として明るみになっていない…。」 「証拠はあるし、誰が犯人なのかも特定済み。」 「法の裁きでは時間がかかる。」 「だから別の方法で…。」 宿に戻っていた古田は夜の帳が落ちた外の喫煙所で、タバコを吸いながらひとりごとを呟いていた。 タバコを吸う音 「で、一色は事件の本質である本多と仁熊会、県警の闇に一度にメスを入れ、それらに社会的制裁を与えようとした…。」 確固たる考えと実績。この二が一色という男の基盤をなしており、なおかつ彼には警察幹部という立場があった。だから一見夢想とも思える世直し劇の実行にも一定の信憑性を持って受け入れられることが出来る。だがその一色ですら村上の反撃に遭い、そ…
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